アルケミラの小部屋

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アルケミラとイセスのこべや その10


 ついに今年最後の更新となってしまいました。
 今年も残すところあと1時間もありません。

 イセスと一緒に銀誓館にやって来てたった3ヶ月のことなのに
 1ヶ月前のことでも遠い遠いむかしむかしのことのよう。

 独逸の片隅でひっそりと暮らしていた私とイセスにとって、この日本の
 小さな鎌倉という都市は、とても大きな大きな意味を持つ街になりました。


  イセス「今年最後だから、最後は真面目に?」


 ええ。たまには、ね?
 今年は、私にとっても特別な年になったから。


  イセス「うん、そうだね。……今年を振り返る前に、クリスマスのイベシナの感想かな」


 ええ。


  イセス「ん、長い感想は、実はないんだ」


 語ることがないのかしら?
 それとも、言葉に出来ない?


  イセス「言葉に出来ない、かな。
       ……恥ずかしがり屋の汐音さんが、一緒に朝のパーティーに出てくれて。
       1日、僕と一緒に銀誓館を回ってくれて。たくさん思い出を作ってくれて。
       ヤドリギの下に行ってくれたこと。……思い出すだけで、嬉しくて、嬉しくて。
       涙が出そうになるんだ。汐音さん、そこまでしてくれるなんて、本気の証だから」


 ええ。


  イセス「ありがとう、汐音さん。こんなにも愛してくれて。僕も、僕も大好きだから」


 もう。男の子がすぐ泣いちゃダメよ?
 ………こういう時には、泣いてもいいけれどね?


  イセス「うん……」


 すっかり涙脆い子になっちゃって。
 お姉さん、甘やかしすぎちゃったかしら?

 でも、心の奥の部分が度を越して、自分のことを考えない
 他人のことばかりを考えすぎてしまう歪み方をしてしまっても
 優しい子のままで居てくれて、とっても嬉しい。


  イセス「アルケミラのおかげだよ」


 ありがとう。そう言って貰えると、嬉しいわ。
 ……貴方が優しい子のままで居てくれたから、この街でも
 貴方の周りには素敵な人ばかり、集まってきたわね。


  イセス「そうかな」


 重太郎さんや志摩さん、来夢ちゃんや零児さんはきっとそういうでしょうね。
 涼介さんは、貴方がみんなの為に頑張ってあげたから、貴方を信じてくれたのよ?
 晶ちゃんだって、ささらちゃんだって、とっても素直ないい子。
 白児さんだって、自分の道をしっかりと見据えてる人だわ。

 貴方は繊細で脆くて、気の弱い、情けないところもある子だけど
 真っ直ぐに人と向き合える子だから。
 真っ直ぐに気持ちを受け止めてくれる、素敵な人との出会いがあったの。

 美奈子さんはそれを見越して、貴方をここへ呼んでくれた。
 感謝をしてもし足りないくらいね。


  イセス「……そうだね」


 汐音ちゃんが、貴方に打ち明けてくれたお話は
 それをきちんと受け止めてくれる人にしか出来ない話よ。


  イセス「……うん」


 ……こうして思い返してみると、本当に素敵な出会いばかり。
 たった三ヶ月で、イセスの世界に黒と白以外のたくさんの色が混じり合って
 恋した瞬間から、貴方だけのキャンパスに絵が描かれ始めた。

 私だけで色をつけてあげられなかったのは、少し悔しいけれど。
 貴方のキャンパスが真っ黒に染まらなかっただけでも、よしとするわ。


 人生のキャンパスは、一人でも二人でも、埋めるには広すぎるものね。


  イセス「アルケミラ」


 なに、イセス?


  イセス「アルケミラも、大好きだよ」


 私だけ?


  イセス「ううん。みんな、みんな、大好き」


 ………そう。

 いつまでも、いつまでも、そう素直に言える子で居てね。
 その笑顔が、私のずっと見守りたい笑顔だから。
 おじ様も、おば様も、きっと、その笑顔をずっと願ってるわ。


  イセス「うん。来年も、再来年も、ずっとずっと宜しくね、アルケミラ」


 ええ。
 ずっとずっと宜しくね。

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