アルケミラの小部屋

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アルケミラのこべや その102


 風を引き裂いて飛ぶ龍の拳が、体の中央にめり込んでいく

 ズン、と体の、頭の芯に響く重み、遅れて体を貫く衝撃


 アビリティでまとった黒の喪服が拳の威力に負けて弾けてゆく

 まるで黒い雪の様に舞うドレスの端切れ

 ふわりと空を泳ぐ無数の破片は、本当の雪の様にすぐに溶けて消えてゆく


 たった二撃の拳で気力も体力も意識も根こそぎ刈り取られてしまいそうになる

 やっぱり、前に立って誰かを守ろうとする男の子には勝てないな

 残り一桁くらいの体力で、微笑みながらそんなことを考える

 目の前の男の子の方が先手、回復が間に合わない


 イセスの放つ弾丸を拳が切って落とす

 ガードされて、殆どダメージが徹ってない

 あと一手のところまで追い込んでいるのに押し切れない

 勝つ為の強い意思が、熱い想いが数の差を覆して私たちに迫る


 私が倒されたら、この子の拳にイセスは耐えられ―――



   「―――アルケミラ!!」


  ―――思わず泣かせてしまいたくなる可愛い声が 

       白児くんに負けないくらいに強い意思で私を呼ぶ

        流れ込んでくる感情が あの子の速度に私を引き上げる



 黒いドレスを翻して貴婦人の礼をとる

 ほつれ、破けていた衣装も今は卸し立ての輝きを放って

 目の前の男の子を、私の一番のおしゃれで出迎える


 間に合った

 飛龍の速度で飛んで来る拳を、もう一度だけ詠唱銀で作ったドレスが受け止めてくれる

 徹る拳の勁が纏ったばかりのドレスを再び引き裂いていく

 けれど、私は……ううん、私と白児くんは、二人で笑ってた


 空を貫く弾丸が彼の体へ吸い込まれていく

 クリティカルヒットじゃない、けれどジャストアタックの打撃

 倒れて、天を仰ぐ彼がさばさばとした声で呟いた



 「ふう。……あー、ここで限界か」



 お疲れ様、白児くん

 私だって限界だったよ


 でも、私にはイセスが居て

 君が相手だから、ここまで戦えたんだから


 またやろうね

 

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コメントコメント


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また、いつか

その時は、今よりもずっと、強くなっていましょう。
ええ、約束します。

黒山・白児 | URL | 2009/05/08 (Fri) 03:41 [編集]


君たちはホント

男の子だなぁ

おねいさんもちょっと
青春しちゃうじゃない、うん


うん♪

アルケミラ | URL | 2009/05/08 (Fri) 23:11 [編集]


 
 

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