アルケミラの小部屋

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イセスのつぶやき その40



 同胞と、血縁と、家族と、友人と、両親と、親友と戦うのは
 僕だけなんかじゃ、ない。

 誇り高い狼の騎士たちこそが、この血戦で最も心から血を流す。
 僕は不幸の渦中の主役なんかじゃない。


 父さんの教えを忠実に再現する、ただのどこにでも居る墓守だ。
 

 でもね、父さん。
 僕もようやく、ただ心を痛めながら引き金を引くだけのイセスじゃなくなったんだよ。

 大好きな人の為に、大事な友達の為に、護りたい人たちの為に。
 助けたい人たちの為に、って、誰かに理由をなすりつけながら
 誰かを想う事を言い訳にして、仲間と一緒に数の暴力で意見を押し通す。

 そんな風に罵られても「違う」と言い張って引き金を引ける僕に。
 それはエゴだと判っていても貫き通しながら誰が相手でも戦える僕になったんだ。


 そんなのは相手が身内であっても、誰であっても「撃っていい」理由にはならない。
 誰かを護るとか、そんな言葉で自分のしてる事を綺麗な事にしてはいけない。

 僕たちがしてる事はたとえゴースト相手であっても、ゴースト相手だからこそ
 純然たる“誰かを傷つける行為”に他ならない。
 
 殴る相手じゃなくて、殴る事自体を考えて、その手段の重さと意味を考えろと
 父さんは僕に教えてくれた。

 綺麗事で飾り立てるな。耳障りのいい言葉で自分を支えるな。
 そして―――それでもその手段を選んで貫き通せる男になれって。


 父さん。
 僕は、誇り高く同胞と戦う狼の騎士たちの影で。
 出会うかどうかも判らない血縁の姿に怯えてるんだ。

 僕は、その臆病を自覚出来る自分の心を。
 それでも、自分を綺麗事で飾り立てて。
 大好きな人の為に、大事な友達の為に、護りたい人たちの為に。
 助けたい人たちの為に、戦える自分を……誇れる様になったんだ。


 父さん、母さん。
 僕はもう、大丈夫だから。
 僕と一緒に、汐音さんを守って。

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