アルケミラの小部屋

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イセスのつぶやき その35



 満天の星空でさえ 
 最も古き血の方々には煩わしいのかもしれません

 その空の向こうに満ちる神秘と栄光 
 栄華と繁栄の象徴は 今や昔の物語


 御方様方は夜空を見上げながら
 この世界を 憎んでおいでなのでしょうか



 この世界を覆う 
 僕たちのすぐ傍に居る当たり前の人々が
 長い長い時間を掛けて編んだ
 平穏の揺り籠

 世界を悪意と未練の再演から
 そして 牙持つ異邦者から守る大いなる秘蹟の砦
 
 その鉄壁の守りは
 僕たちのすぐ傍に居る当たり前の人々を
 長い長い時間を掛けて
 終わらない想いの連鎖から守ってくれています




 戦いに勝つ為に
 その守りを壊すのですか?

 かつての栄華と繁栄を取り戻す為に
 あの守りを傷つける姦計を巡らせるのですか?



 あの守りは 僕たちにとって
 悲しい別れと残酷な宿命

 そして連綿と続く罪業の歴史を紡ぐ
 茨の城でしかないのかもしれません


 見えざる天蓋さえなければ
 原初の血は世界を制されたかもしれません


 そして僕たちは
 狂気の眠りに誘われた同胞を

 永遠の領土である棺の中へ
 迎えることはなかったのかもしれません


 でも それも今や昔の夢物語


 僕たちはただ密やかに

 この世界の夜に向こう
 遥かな故郷に想いを馳せながら
 静かに朽ちていくだけの存在でしょう

 そこには緩やかな終焉の歌が
 ただ ただ静かに流れ続けています


 でも 僕は

 その穏やかで豊かな滅びの運命を
 僕に笑いかけてくれる 

 たくさんの たくさんの

 ありふれた人たちの命を犠牲にしてまで
 覆さなければならないものとは 思えません


 そんなにも僕たちの役割は
 呪わしかったのでしょうか?

 そんなにもこの世界が
 憎かったのでしょうか?


 それなら僕たちだけを
 憎み続けてくだされば


 僕たちは立派に
 賜られたお役目を果たし続けられました


 失った栄耀など
 如何ばかりのものだと仰られるのです


 その貴さはたとえ天蓋に封じられても
 僕たちの前で些かも霞む事はありません


 この世界が閉ざされた時
 自らの戒めと僕たちの種の為に

 このお役目を僕らに課され
 自ら棺を天領とされた方々が



 どうして 

 忌むべきあの狂気の眠りこそが
 僕たちの真の姿だと仰るのですか


 その姿を是として
 再び戦乱の世を招こうとされるのですか













 じゃあ








 僕の父さんと母さんは










 僕たちのしてきたことは














 なんだったって言うんだっ………………!!











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